薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

「脳科学的栄養学」をベースによりよく生きるための健康づくりに貢献します

薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

学ぶとは、心に誠実を刻み付けること。
38年間の脳科学研究から培った知識とスキルを
わかりやすくお伝えします。


みなさま こんにちは。

私はGROWTH健康づくり協会で「脳科学的栄養学」を伝えている竹内久米司です。

「脳科学的栄養学」は私が初めて提唱している領域で、
脳神経細胞の“よりよく生きる“という本能を満たし、
良好な人間関係を構築しながら、豊かで幸せな生き方ができる幸せ脳、
すなわち「成幸脳」をつくることを目的としています。


この「成幸脳」つくりに欠かせない大切な三つの要素があります。

それは、

①「脳」を環境化学物質から守ること。

特に、脳の発生から発育段階にある胎児期や幼児期に、
母体を通して日用品に添加されている多くの環境化学物質に曝露されることで、
その後の人生に大きな影響を与えてしまう可能性があるからです。
そのため妊婦さんの日用品の選び方、ラベルの見かた、使い方には注意が必要です。


②「脳」が欲する食と栄養の摂り方。

脳は食べたものでつくられます。
日々の食生活の影響を最も敏感に受けるのが脳です。
ですから、脳の欲する食と栄養の摂りと方を知ることは、
健全な脳の機能と、こころを育てるうえでとても大切です。
現代の食環境や食習慣から脳が必要とする食と栄養を十分に摂ることが難しくなっているのです。


③脳の本能を満たす考え方や行動。

物事に対する解釈や行動の選択が人生の質を変えます。
人が感じる不幸感の多くは不満足な人間関係に起因しています。
“よりよく生きる”という脳の本能を満たす考え方や行動の選択で良好な人間関係を構築し、
豊かで幸せな人生をおくれる「成幸脳」をつくることができます。


以上の「脳科学的栄養学」の三つの視点から最新の情報を講演・講座活動あるいはHPで発信しております。


私の38年間に及ぶ脳科学研究を通して培った知識とスキルを活かして、
「脳科学的栄養学」をベースに皆様の暮らしに役立つ情報を、
わかりやすくお伝ええしてまいりたいと思います。
 

Adviceアドバイス

オートファージ―は免疫の一部でもある③ [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.09.16

オートファージ―は免疫の一部でもある③ [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学No.172 ◇オートファージ―は免疫の一部でもある③   オートファジーが細胞の中で免疫の働きを担っていることがわかってきています。   細胞内の掃除役であるオートファージ―は細胞内を広範に掃除する機能は勿論ですが、狙撃手のように特定の対象も狙い撃ちできます。   従来、免疫が働くのは細胞の外の世界だと考えられてきた。   例えば、血液にいる細菌は免疫細胞が察知して殺してきましたが、当然、細菌は殺されないように逃げ回ります。   そして、細胞の中に逃げ込む細菌も出てくることに。   この細胞内に逃げ込んだ細菌には免疫細胞は対応できないとされていました。   それが、オートファージ―によって逃げ込んだ細菌も退治してくれることが明らかになったのです。   ウイルスの中でも、アデノウイルスやヘルペスウイルスはオートファジーによって狙い撃ちできるのです。   オートファジーと老化や病気との関係は、哺乳類のマウスでの実験によって因果関係は証明されているため、人間にも当てはまる可能性が高い。   すでに人間でも相関関係は見られるため、今、世界中で、オートファジーの活性を上げて、病気を防ぐ薬の開発が進でいます。   私も長い間、医薬品研究開発の現場にいましたが、オートファージーの発見で全く開発の視点が変わった感がします。   さて、このオートファージ―を日常生活のなかで活性化できないものだろうか?だれしも、期待するところですが、実は最も手軽なの方法があるという。   それがが運動だというのです。    また、オートファジーを活性化させる食品成分の研究も進んでいます。   代表的な成分がスペルミジン。   細胞の増殖に関わる物質であるポリアミンの一種で、豆類や発酵食品に多く含まれている物質です。   最も有名なのは納豆で、ほかにも味噌や醤油、チーズが有名。   動物実験ではスペルミジンの摂取量が多いと、オートファジーが活性化し、心不全になりにくいとの報告もあります。   ほかにオートファジーを活性化させる成分としてレスベラトロールが知られている。   これは、ブドウや赤ワインに含まれるポリフェノールの一種。   また、食べる量も重要です。   カロリー制限によって、動物では寿命が延びるが、それはオートファジーを介した作用だとわかっています。   カロリー制限には、一日一食抜くといったプチ断食も含まれます。   そういったプチ断食を時には行う、というのならばやりやすいかもしれないですね。   嬉しいニュースです。    

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オートファジーは老化とも関わりが深い② [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.09.09

オートファジーは老化とも関わりが深い② [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学No.171 ◇オートファジーは老化とも関わりが深い②   細胞内のオートファジーの存在は50年以上前からわかっていいましたが、働きが不明で長い間ほとんど注目されていませんでした。 しかし、ノーベル賞を受賞した大隅良典さん(東京工業大学特任教授)が1990年代初頭に、専門の酵母でオートファジーに必要な遺伝子を見つけたことで一気に注目を集め、さらに吉森教授らが人間にも同じ仕組みがあることを解明し、世界中で研究が加速した分野です。   オートファジーの機能は加齢とともに低下することから、最近、オートファジーは老化とも関わりが深いことが明らかになってきました。   特に吉森教授が発見した「ルビコン」と呼ばれるたんぱく質が老化と深くかかわっていることがの分かってきました。   これまで、オートファジーを促進するたんぱく質はいくつも見つかっていたが、新たに発見された「ルビコン」は逆にオートファジーのブレーキ役を果たすというものです。   しかも、これが加齢とともに増えることから、オートファジーも低下することが判明してきました。   そこで、この老化に深いかかわりのあるルビコンの動きを抑えたら老化は止まらないだろうか。   夢のような話ですが、実は動物実験では証明されているのです。   その実験とは、遺伝子操作でルビコンの働きを抑えた線虫で実施したところ、オートファジーの活性化が維持され、寿命が平均20%延びたという驚くべき結果が得られています。   さらに、寿命が延びただけでなく、老いても活発に動き続けたということです。    吉森教授らの実験では通常の線虫の2倍は動いたとのこと。これは、80歳の人間がフルマラソンを涼しい顔で走るようなものだそうです。   すごいことです!!   また、ルビコンの働きを抑えることで加齢に伴ってかかりやすい病気を防ぐことも解明されつつあります。   多くの病気で、オートファジーが低下すると病態が悪化するとわかってきたからです。   人類の永遠の夢である「不老不死」はともかく、少なくとも健康寿命は延ばせるのではないかと期待が膨らんでいます。   具体的な例では、脂肪肝では、ルビコンを働かないようにすることで、オートファジーが機能して脂肪の分解が進み、肝臓内での脂肪蓄積を防ぐ可能性が大きくなってきています。   吉森教授が高脂肪食を与えたマウスの肝細胞で実験したところ、脂肪肝ではルビコンが増えていることを発見。   一方、ルビコンの遺伝子を破壊したマウスに高脂肪食を食べさせ続けても、脂肪肝にならなかったとのこと。    また、アルツハイマー病など神経変性疾患にもオートファジーの機能低下との関係が指摘されています。    神経細胞は他の細胞と違って分裂しません。   まさに一生もので涯使います。新しい細胞に入れ替わらないため、細胞の中の掃除役オートファジーの働きが特に重要となります。   老化によって、オートファジーが働かなくなると、異常なたんぱく質などが蓄積され、これが神経細胞を壊すので、結果的に、アルツハイマー病やパーキンソン病といった病気が誘発される可能性が高まります。   実際、遺伝子操作で脳にオートファジー機能がないマウスをつくったところ、すべてがアルツハイマー病に似た症状をしめしたという。   つづく

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老化を防ぐ食べ方、細胞内のお掃除役オートファジーの活性化がカギ① [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.09.02

老化を防ぐ食べ方、細胞内のお掃除役オートファジーの活性化がカギ① [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学No.170   いま話題の一冊「LIFE SCIENCE(ライフサイエンス)長生きせざるをえない時代の生命科学講義』を読みました。   著者は、大阪大学大学院生命機能研究科の吉森教授。   2016年のノーベル生理学・医学賞受賞で話題になった「オートファジー」の研究者。   オートファジーは、細胞が、内部の物質を分解して再利用するしくみとして知られていますが、最近、老化や病気に、深く関わることがわかってきました。   話題の書からシリーズでオートファージについてわかりやすく解説していきます。   ◇老化を防ぐ食べ方、細胞内のお掃除役オートファジーの活性化がカギ①   2016年、大隅良典教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで注目されたオートファジー。   みなさんはこのオートファジーが体内でどのような役割を担っているのかご存じでしょうか。   オートファジーは、細胞内を正常な状態に保つために、細胞内で不要となった物質を分解するいわゆる“掃除役”です。   例えるなら、リサイクル業者のような働きに似ています。   分解された老廃物はリサイクルされ、生きるためのエネルギーとなるのです。   このように生命維持に欠かせないオートファジーは一体どのような仕組みで機能しているのでしょうか。   まず、オートファジーとは細胞内にある不要な物質を分解する仕組みのこと。   自分で自分の細胞を包み込み分解することから「Auto:自ら」「Phagy:食べる」=自食作用と呼びます。   この仕組みは人間などの哺乳類だけでなく、すべての真核生物(核を持つ細胞からなる生物)にみられます。   細胞内には、生命を維持するためのタンパク質やミトコンドリアなど様々な物質が多く存在しています。   それらが古くなったり傷ついたりして細胞内に蓄積されると、細胞は障害を受け全身にさまざまな悪影響を与えることになります。   そこで、このような、不要になった物質の蓄積を防ぐために、細胞内部を浄化し、内部の状態を一定に保ちます。   この恒常性維持はオートファージの仕組みで行われます。   オートファージは、飢餓状態のときに起こりやすく、細胞の中に隔離膜が出現して始まります。そして、周辺のたんぱく質などを包み込んで球状の構造に変わる。   この球が、消化酵素が入った袋とくっつき、中のたんぱく質などが分解されます(図参照)。    オートファジーは飢餓状態での栄養を得る役割以外に「細胞内の掃除役」として注目されてきましたが、最近さらに、それが老化とも関わりが深いとわかってきたのです。   ますます関心が高まりますね。   次回につづく

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脳は加齢で衰える? ホント?、ウソ? [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.08.19

脳は加齢で衰える? ホント?、ウソ? [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学NO.169     ◇脳は加齢で衰える? ホント?、ウソ?  クイズで考える脳の老化   【問題】加齢とともにもの忘れ、集中力の低下など、最近めっきり脳が衰えてきたと実感している人はいませんか。   今回は、脳と加齢の関係を取り上げクイズで学んでいきます。以下の脳に関する記述で、間違っていると思うものをお選びください。   •(1)脳は加齢により委縮していく •(2)脳の老化は、思考、理性、コミュニケーションなどを    担う前頭葉から始まる •(3)脳の神経細胞は加齢とともに減り続ける一方 •(4)脳は、外部からの刺激によっていくつになっても    変化する力をもっている   これまで、「脳の機能は加齢によって衰える」、「脳の老化は止められない」など様々な説が言われてきました。   歳のせいでどうも脳が衰えてきたと思っている人たちは、この影響を受けています。   この説はある意味では正しいといえる部分もありますが、間違っているともいえるのです。   なぜなら、私たちの脳は後頭部から発達していき、脳の中枢部ともいえる前頭葉は一番最後に発達することが分かっています。 そして、前頭葉が発達を遂げたあとは、今度は前頭葉の脳細胞からが徐々に減り、萎縮していくのです。   それに伴い脳の体積も減っていき、機能も低下していきます。   こうした加齢による脳の変化は避けられない事実です。   しかし、脳の機能はいくつになっても高められることが近年分かってきたのです。    具体的には、 (1)脳の一部では年齢を重ねても神経細胞が新たにつくられること、そして   (2)脳には外部からの刺激によって変化する力があることが分かってきました。   このことは私が毎月開催している「だれでもよく分かる102歳を目指し”動けるからだ”でらくらく生きる脳科学的健康講座」で詳しくお伝えしてきたところです。   ここで、復習もかねて振りかえってみましょう。   まず、脳の構造は「大脳」「小脳」「脳幹」の3つに大別されます。   このうち、全体の80%を占めているのが大脳。大脳はさらに、4つの領域に分かれています。 ものを見る視覚機能を司る「後頭葉」、音を聞く聴覚に関連する「側頭葉」、触覚や運動機能を司る「頭頂葉」、そして、思考や判断、感情や理性、コミュニケーションといった高度な働き(高次認知機能)を担う「前頭葉」。   大脳の発達には、個人差がありますが、成長する順序や時期にはおおよその流れがあります。   これまで16万人にのぼる脳のMRI画像を解析してこられた、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、ずばり「後ろから発達して、前から壊れる」と明言されています。   生後からすぐに発達するのが、脳の後方に位置する後頭葉と側頭葉。3歳になる頃には、見る・聞くことは、大人と同じレベルまでできるようになります。   また、言葉の理解も生後6カ月頃から進んでいきます。   3〜5歳頃には、脳の中央部の発達に入り、頭頂葉にある感覚野や運動野の成長スピードが加速します。    最後に発達するのが、脳の前方に位置する前頭葉。   前頭葉の発達は12歳前後の思春期がピークで、人によっては20歳頃まで成長。この前頭葉が完成すると脳の体積は最も大きくなり、子どもの脳から大人の脳になります。  そして、大人の脳が完成した直後から、脳の老化がゆっくり始まるのです。   それも、「最後に発達を終えた前頭葉から、すぐさま萎縮し始めます」と瀧教授。   もっとも、そのスピードは緩やかで、直ちに脳機能に影響が及ぶわけではありません。   ただ、脳の神経細胞の数はどんどん減っていき、ごく一部を除いては、その後に増えることはありません。   その代わり、神経細胞同士の結合、すなわち「神経細胞間のネットワーク」を増やすことはできます。   そして、健康な脳を維持するために大切なのは、実は神経細胞の数よりも、このネットワークのほうなのです。   これまでは、ネットワーク構築のピークを過ぎると脳の回路を増やすことは難しいと考えられていました。   しかし、 2004年に科学雑誌「ネイチャー」に発表されたドイツの大学の研究チームによって、脳に刺激を与え続けることで、いくつになっても時間はかかるが既存のネットワークを強化したり、新たなネットワークを広げたりすることができることが明らかになったのです。   こうした脳の変化する力は「可塑(かそ)性」と呼ばれます。 さらに、驚くことに、いくつになっても神経細胞が新たにつくられていることが、1998年、米国のソーク研究所のチームによる研究で判明したのです。   それは、記憶のコントロールという重要な役割を担っている「海馬」と呼ばれる領域です。   アルツハイマー型の認知症は、この海馬の萎縮から始まり、高次認知機能を司る前頭葉の萎縮へとつながっていきます。 その結果、思考力や判断力といった認知機能の低下が起こり、最終的には歩く、食べるなどの、生きるために必要な運動領域のコントロールも失っていきます。   すなわち、認知症の予防をはじめ脳の健康を保つには、海馬と前頭葉の体積を維持することが重要だというわけです。   「いくつになっても海馬で新たな神経細胞がつくられることに加えて、外部の刺激によって変化する「可塑性」によっても、海馬をはじめとする脳の体積を増やせるということ。   つまり、脳は何歳からでも変えていくことができるとというのは、驚きとと大きな希望になります。   正解(間違っているもの)は、 (3)脳の神経細胞は加齢とともに減り続ける一方 です。   脳の一部では、年齢を重ねても神経細胞が新たにつくられることが分かっています。   ・・・・・・・   8月度のオンラインクラブセミナーのご案内です だれでもよく分かる102歳を目指し“動けるからだ”でらくらく生きる脳科学的健康講座 第11回:「良い肥満」と「悪い肥満」  最新研究からの事実   8月28日(土) 11:00-12:30 オンライン開催 詳細はこちら☟   https://www.facebook.com/events/250506580088777/?ref=newsfeed      

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ココアのフラバノールが脳血管と認知の機能を高める [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.08.12

ココアのフラバノールが脳血管と認知の機能を高める [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学No.168 ◇ココアのフラバノールが脳血管と認知の機能を高める   ココアに含まれるポリフェノールのフラバノールを高用量摂取すると、脳の血管の機能が活性化され、同時に一部の認知機能も向上することが英国の報告で明らかになりました。   フラバノールはポリフェノールの一種でフラボノイド系の化合物で、緑茶の成分としてよく知られているカテキンやエピカテキン、エピガロカテキンなどもおなじフラバノールに分類されます。   ココアの他に、ベリー、ブドウ、リンゴ、紅茶などにも豊富に含まれています。   これまでに、フラバノールを摂取すると手足などの末梢血管の機能が向上したり、加齢による認知機能の低下を防ぐ作用を持つ可能性が示唆されていました。   今回、米イリノイ大学のGabriele Gratton氏らは、フラバノールが脳血管の機能と認知機能を高めることを明らかにしました。   試験は、普段喫煙経験のない健康な若い男性18人で行われました。   まず、フラバノールの摂取が脳血管の機能に影響するかどうかを検討するため、脳の血液中の二酸化炭素濃度がフラバノール摂取前後にどう変化するかを調べた。   二酸化炭素濃度の濃い空気を吸うと、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、酸素濃度が下がります。このとき、健康な血管は、脳への血流を増やしてより多くの酸素を送り、二酸化炭素を追い出す(=酸素化)ことでこの事態に対応します。   そうした変化がどの程度みられるかを観察。   参加者は、最初に二酸化炭素を5%含む空気を吸い、この検査を受たたあと、フラバノール含有量が多いココア(高用量ココア、フラバノール681.4mg)またはフラバノールをほとんど含まないココア(低用量ココア、フラバノール4.1mg)を飲み、2時間後に再度同じ検査を実施。   さらに2週間以上経過した後に、初回に高用量ココアを飲んだ人には低用量ココアを、初回が低用量ココアだった人には高用量ココアを飲んでもらい、同じ検査を行った。   その結果、検査を受けた17人のうち13人で、高用量ココア摂取の2時間後に5%二酸化炭素を吸入した後に、酸素化ヘモグロビンの量が大きく上昇。上昇幅は、低用量ココア摂取後に同じ実験をした場合の約3倍。   また、吸入から酸素化ヘモグロビンの増加が始まるまでの時間は、低用量ココア摂取後より高用量ココア摂取後のほうが約1分短く、高用量フラバノールの摂取により、脳の酸素化の反応が、より強く、より素早く生じることが明らかになりました。   このような反応の違いは、脳画像検査でも確認されている。   次に、フラバノールの摂取が認知機能に及ぼす影響をココア摂取後2時間の時点で調べた。   検査に用いたのは、日本で脳トレ(脳トレーニング)の1つとしてテレビなどでも紹介されることが多い、色読みテスト。   結果は、8人中14人において、ココア摂取前および低用量ココア摂取後と比べて、高用量ココア摂取後に一部のテストで成績が向上。 残りの4人には、認知機能検査の結果に高用量フラバノールの影響は見られなかった。 これら4人には、高用量ココア摂取後に、脳の酸素化の有意な上昇も見られていなかったとのこと。   4人の結果については「ココアを摂取する前から酸素化レベルが高かったために、ココアによるさらなる改善の余地が少なかった可能性はある」と著者らは考察している。   結果を総合すると、フラバノールが、迅速かつ強力に脳の血管の酸素化反応を誘導すること、それと並行して、より高レベルの認知機能を求められた際の解決能力を高めることを示唆していた。   一般に、脳の酸素化の不調は高齢者に多く、心血管疾患や認知症のリスクが高い人にも認められている。   今後は、こうした人たちにも、高用量フラバノールが効果を示すかどうかを検討する必要があると著者らは述べている。   なお、今回用いた高用量フラバノールココアによってもたらされた効果が、チョコレートを摂取した場合にも同様に見られるかどうかは不明とのこと。   チョコレートに加工される際にフラバノールの含有量が低下すること、チョコレートの摂取量が多くなれば、糖分と脂肪分の摂取量も増えることを考えると、効果が得られる量を日常的に摂取するのは困難とのこと。   著者らは、「ココアにこだわらず、フラバノール含有量の多い食物(ブドウ、緑茶、リンゴ、ベリーなど)をいろいろと摂取するほうがよい」との考えを示している。   原著論文はこちら☟ Gratton G, et al. Scientific Reports volume 10, Article number: 19409 (2020)

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クイズで学ぶ「メタボ」 [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

2021.08.05

クイズで学ぶ「メタボ」 [薬学博士 竹内久米司先生からのアドバイス]

脳科学的栄養学No.167   ◇クイズで学ぶ「メタボ」 健康診断で問題になる「メタボ」の判定基準は? 【問題】   40~74歳を対象に行われる健康診断での「メタボ健診」。   みなさんは受診されていますか? さて、メタボの判定基準について、以下のうち間違っているものはどれでしょう?   •(1)腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上 •(2)血糖値が高くてもメタボに該当しないこともある •(3)悪玉コレステロール(LDL)が高いとメタボに判定    される   さて、肥満が糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病につながりやすいことは、良く知られている事実です。   また、様々ながんや心疾患などの病気のリスク要因であることも知られています。   「特定健康診査(特定健診)」、いわゆる「メタボ健診」のときに、肥満について意識させられる方は多いのでないでしょうか。、   2008年4月からスタートしたメタボ健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健康診断で、会社勤めの人は会社の健康診断と一緒に行われることも多い(40~74歳対象)。    腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上あり、かつ血糖値、脂質、血圧の数値のうち2項目以上が悪い場合に、メタボのリスクが高いと判断され、医師や保健師、管理栄養士から特定保健指導を受けることになります。   さらに、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧のうち2項目以上が悪いとメタボと判定されます。   ですから、血糖のみ悪かった場合はメタボに該当しないこともあります。   また、脂質は悪玉コレステロール(LDL)ではなく、中性脂肪または善玉コレステロール(HDL)の値で判定されます。   なお、腹囲が男性85cm未満、女性90cm未満でも、BMI(体格指数=[体重(kg)]÷[身長(m)×身長(m)])が25以上あり、血糖値や脂質、血圧の数値などが悪いと、特定保健指導の対象になります。   年を取ると多くの人が、体重が増えて肥満になり、それに伴い血圧や血糖値、中性脂肪やコレステロールなどの値が悪くなってきます。   ところが、慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科の伊藤裕教授によると、肥満であるにもかかわらず、そうした値が正常の範囲内に収まっている人もいるとのこと。    2019年に発表された欧米の12万人の肥満の人を対象にした研究では、太っていても糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが低い人が24%いたという結果が報告されています(J Clin Invest. 2019;129(10):3978-89)。    それでは、太っていても生活習慣病になるリスクが低いのはどのような人でしょうか。   伊藤教授、それは「皮下脂肪型肥満」の人だと指摘します。   体脂肪には、全身の皮膚の下につく「皮下脂肪」と、内臓の周囲につく「内臓脂肪」とがあり、体重やBMIが同じ数値でも、全身がぽっちゃりしている「皮下脂肪型肥満」と、お腹だけ突き出ているような「内臓脂肪型肥満」とがあります。 このうち、皮下脂肪は多少ついても大きな問題はないのですが、内臓脂肪は生活習慣病のリスクを高めることが分かっています。   「腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上になると、内臓脂肪量がだいたい100平方cmを超えることが多く、生活習慣病リスクが高くなります。   特に40歳以上の男性は、腹囲が85cm以上ある時点で内臓脂肪型肥満である可能性が高く、きちんとメタボと向き合わなければならないと伊藤教授は指摘しています。     正解(間違っているもの)は、(3)悪玉コレステロール(LDL)が高いとメタボに判定される です。  

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INFOインフォメーション

名称 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス
(ヤクガクハクシタケウチクメジサンカラノアドバイス)
住所
竹内 久米司
竹内 久米司

1943.6.12 東京生まれ
薬学博士

GROWTH健康づくり協会 代表

一般財団法人
 日本プロスピーカー協会
  顧問

一般財団法人
 日本プロスピーカー協会
  認定シニアプロスピーカー

一般社団法人
 福島県セラピスト協会
  顧問